ミハ姫日記①

 

 

 

 

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学校の帰り、夕陽が凄く綺麗でしばらくみとれてしまった。
思わずEXギアで夕空を飛んでみようか・・・という考えが浮かんだが、
航空力学の宿題を思い出してやめた。
そろそろ帰ろうと思いからだの向きを変えたら
真後ろにミシェルが立っていてびっくりした。
「オレがこんなに傍にいるのに気がつかないなんて・・・」ってミシェルは呆れた顔してたな。
今日は女のとこに行かないのか?ってわざと聞いてやったら
「姫様のお勉強をみてあげないとな」っていうなり唇を覆われた。
驚いた俺の顔をみながら「家庭教師代は高いぜ」って・・・
お前に頼んだ覚えはないっ!

 

 

 

 

 

ミシェル

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オレの愛する姫様はまったく鈍くて困る。
結構気の利いた言葉を言ってるつもりなんだけど、
姫の心に響かないのか、それとも天然なんだか・・・
じれったくて思わず行動でアタックするとやっと分かってくれるってヤツさ。
まぁそこも可愛くていいんだけどね。
オレが傍に来た事も気ずかないで、夕空を眺めていた姫の横顔は
オレンジ色にそまって、そりゃ~色っぽかった・・・
思わずキスしたら、姫の頬は夕陽より赤くなって愛らしかったから
抱きしめるしかなかったよ。
部屋に戻っての宿題はオレの理性がまず無理。
だから、近くのファミレスで宿題をみてあげることにしたんだ。

 

 

 

 

 

 

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来週から始まる学園祭の準備でオレ達は毎日アクロバットの練習をしている。
集団で合わせて飛ぶのは、好きじゃないな。
グループの他の奴らが帰ってから、ミシェルのヤツがふたりで何か競技しようと
計画を立てたから、仕方なくその練習もしてるんだ。
EXギアでミシェルとふたりで空を飛んでたら、投げキッスばかりしてくるあいつに
いい加減あきれたな。
ミシェルはどういうつもりなんだ・・・・

 

 

 

 

 

 

ミシェル

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せっかく姫とふたりだけの練習だというのに、EXギアを着てちゃ姫に触れられない。
背中の翼が邪魔で空の上じゃ姫に近づける距離も限られてるもんな・・・
帰りは一緒に帰ったけどSMSの宿舎まで我慢できなくて、
途中公園に寄って姫にキスをしようと思ったんだ。
向かい合う俺と姫。
このまま唇を近づけて・・・
と、いきなり姫は俺の眼鏡を外して
「お前どんだけ目が悪いの?」とか言って俺の眼鏡をかけちゃったよ。
パチパチと何回か大きく瞬きをした後にすっと眼鏡を外して
「お前、よくこんなのかけてるな・・・」
っていうなり、その場にしゃがみこんじゃったよ!
酔ったのか?
俺の眼鏡は普通の近眼とかのレンズじゃないんだ。
早く言っておけばよかった・・・

 

 

 

 

 

 

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SMSの宿舎に戻ったらミシェルのヤツ、部屋に入るなり
いきなり抱きついてきた。
珍しく離れたくないと甘い声を出してくる。
でも、その甘い声もサイレンの音にかき消された。
出動だ。
ミシェルは深いキスをオレにした後こう言った。
「無事で帰るんだ。俺が必ず援護する」
その顔は数秒前の甘えた顔から一気に戦士の顔になり、やけにたくましかった。
オレは無駄にドキドキしたよ。
オレ達はパイロットスーツに着替え、メサイアの待つ格納庫に向かった。
でも・・・・オレ、さっきのミシェルの眼鏡に酔ったままなんだよな・・・
メサイアのGに絶えられっかな?

 

 

 

 

 

 

ミシェル

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全くなんていうタイミングなんだ・・・
せっかく姫をまるごと頂こうと思ったのに、出動だなんて・・・
それにいい雰囲気だったんだぜ。
急いでパイロットスーツに着替えてメサイアに乗り込む。
流石の姫もコックピットの中では男の子に見えるな。
それでも俺にとってはお姫様だけど・・・
スタンバイサインが出る。
タービンエンジンを全開に吹かす。GOサインと共にスロットルを上げ、

姫を乗せたメサイアが先に飛び立つ。
俺も続けて出撃し、姫の隣りに付いた。
無線を切り替え、さっきの続き帰ったらしてくれるか姫に聞いたら,

馬鹿野郎と怒鳴って無線を切りやがった。
隣りの機体の中の姫と眼が合った途端に、あいつ急旋回して俺から離れちまった。
おっおい!無線を切るのはヤバいだろっ!

 

 

 

 

 

 

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メサイアに乗り込んだ時の緊張感が好きだ
全身が糸で吊られたようにピンとなって、高揚する心臓の音が
なんとなく心地いいんだ
スイッチを入れながら計器をひとつひとつ確認する。
エンジンの振動が体中に響いて興奮するよ
こんな感覚はそうそう味わえるもんじゃないもんな
ミシェルのバカげたひと言に無線を切ったけど、
バジュラの姿が見えてきたら流石に無線をONにした。
今回はそんなに数が多くなかったから、
なんとかオレらで片付けられそうだ。
攻撃を仕掛けてくるバジュラの散弾をよけながら、オレたちも攻撃した。
「後ろだ!アルト!」
無線から聞こえたミシェルの声に急旋回し、バトロイドに変形したが
間に合わず、敵にしがみつかれた!こんなに接近されたらナイフで
ぶった切ってやろうと思うのに左腕が挟み込まれて動かねぇ
くそ・・・
「アルト動くなよ!今、片付けてやる!」
ミシェルの声がする。
閃光を浴びたと思ったら眼の前でバジュラがバラバラになって宇宙に
吸い込まれていく。
あのバカは大した腕前だ。
ありがとうと素直に言ったのに「じゃぁ、さっきの続きは決まりだな」
まだ、言うかっ!

 

 

 

 

 

 

ミシェル

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どういう訳か、バジュラがいきなり撤退しはじめた。
俺達はバジュラが1体も残ってないか散策し確認したあと戻る事にした。
戻る途中ゆっくりとメサイアのエンジンを低く下げ、穏やかに飛行する。
姫が俺の横に付いて来た。
「おっ、やっとその気になってれたか?」って言ったら
「バカ言ってんじゃねぇよ。気持ち・・・分かってるくせに・・・」
姫の方を見ると、ヘルメットの下で照れくさそうな瞳が見えた。
俺は親指と小指を立ててキラッ☆ってしたやったら
姫はニッコリ笑って俺から計器に目を移した。
本当に姫は可愛いな・・・

 

 

 

 

 

 

 

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フロンティアに戻ったら、オズマの説教が待っていた。
あの時、何故急旋回をかけてミシェルと離れたんだと、こっぴどく怒られた。
くっそっ!ミシェル!お前のせいだ・・・
オズマの説教を食らってたおかげで、シャワールームや更衣室は誰もいなかった・・・
ミシェルももう部屋に戻っているのだろうか・・・
オレはシャワーを浴び、誰もいない更衣室で少しゆっくりしてから部屋に戻ろうと
窓から外を眺めてた。
目線はやっぱり空へと行ってしまう。
ゆっくりとドアが開かれたと思ったらミシェルが入ってきた。
ミシェルはあんまり遅いからと様子を見に来たと言っている。
オズマに説教食らったのも、お前のせいだと責めたてたら、
急に両手首を掴まれ「ごめん」とキスされた。
そしてミシェルはもう戻ろうと、軽々とオレを抱き上げた。
流石に恥ずかしくて下ろせと抵抗したが、以外にミシェルの力が強い事を知った。
 

 

 

 

 

 

 

 

ミシェル

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姫がなかなか戻ってこないから、心配になって更衣室に行ってみたら
なにやら黄昏てるじゃないか・・・
そんな姫を抱き抱えて部屋に戻ろうと更衣室を出た。
暴れる姫を静ませようとキスをした。
そしたら、あんなに暴れていたのにじっと俺を見つめてきたと思ったら
腕を俺の首に巻きつけ、肩口に顔を埋めた姫・・・
「どうしたんだよ」って聞くと「ミシェル、ミシェル」と俺の名をつぶやくように言い始めた。
そして、首に回していた姫の手は俺の頬を挟み口づけしてきた・・・
何度も何度も離しちゃくれない、姫のくちびる。
どうしちゃったんだよ・・・
こんなに可愛い姫は初めてで、どうしてあげていいのか分からなくなったよ。

 

 

 

 

 

 

 

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いったいどうしたんだろう・・・
自分の気持ちのコントロールが効かなくなって、
どうしていいのか分からなくなった。
でも、1つだけ分かった事はミシェルがいつの間にか
自分にとって大切な存在になっていたという事だ。
しきりにミシェルが何かあったのかと訊ねてきて、
心配させてしまったな・・・
オレは上手く説明できなくて、
ただただミシェルにしがみついているだけだった。
それでもミシェルは優しくて、その優しさが切なくて・・・
これ以上どうしていいのか分からないよ。
ずっと傍に居てほしいなんて、照れくさくて言えないし・・・

 

 

 

 

 

 

 

ミシェル

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いつも強がってばかりいる姫が、やけに素直になって
俺はたまんなくなった
でも、やっぱり何かあったのかと気になって問いただしても
姫は「わからない」の一点張りで、
真っ赤な顔をして俯くばかり・・・
姫はきっと「恋」をしてると、直感的に思ったよ
その相手が自分だという事も・・・
どうしてあげたらいいのか分からなかったけど、とにかく肌に触れていたかったから
姫のベッドで俺らは愛し合った。
繋がってる時いきなり大粒の涙をこぼし始めた姫に、
繋がってる場所が辛いのかと思って、身体を離そうとしたら「そうじゃない」と
しがみついてきた。
「胸がつぶれそうで苦しい」とクシャクシャな顔になって涙をこぼしてた。
美人がだいなしだぜ・・・
それにしても愛おしすぎるよ 姫・・・

 

 

 

 

 

 

 

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あんなにミシェルに甘えた態度を取ってしまって、これからどう接していけばいいのか
悩んでしまったけど、以外にもミシェルは普通に接してくれたから助かった。
っていうか、きっと気を使ってると思う。
でも、キスをねだってくる回数が多くなったかも・・・
今日はミシェルが射撃訓練があるから一緒にやってみなかと誘われた。
授業が終わってオレたちは、早々に学校を後にしてSMSに向かう。
射撃訓練は何回かは基本訓練の時にメニューに入っているから
やった事があったけど、それは拳銃だったが、
ミシェルの訓練はライフル銃なんだ。
ほふく上体になって銃を構えるけど、意外と銃が重くてささえる左腕の肘が痛くなって
なかなか標準が合わなくて難しかった。
だけど、ミシェルは淡々と射的の標的範囲内にバンバン命中させていくんだ。
凄いって、素直に思ったよ。
え?惚れ直したかって?
う~~ん・・・そうかも・・・

 

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ミハ姫日記②へ  つづく