ラビュのネズミーランド記 ① 【午前の部】
♡ラビたん
任務先から無事に帰ったオレ達は
本当に休みを貰う事ができたんさvv
3日間もだよっ!!!
2日って聞いてたのにまさかの3日間っ!
帰った日はもう夜遅かったんで
そのままオレはユウのベットで眠っちゃった
もちろんユウを抱いた後だけどね
流石に次の日に出掛けるのは疲れてたし
休暇2日目にネズミーランドに行く事にしたさ
ユウったらベットの中でネズミの遊園地ってなんだ?って
しきりに聞いてきたさ
あれで結構興味あるみたいだから
可愛いトコあるでしょ
休暇1日目は結局起きたのが昼すぎだったから
オレは久々のデートの計画を立てたさ!
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♥ユウ
ネズミの遊園地はすごくデカイそうだ
ラビと2人で出かけるのも温泉以来だから
正直楽しみではある
そもそも「遊園地」ってトコが初めてだしな・・・
しかし、気になるな
ネズミばかりの遊園地なのか?
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♡ラビたん
オレらは9時開園に合わせて出かけた
チケットを持っていたので
並ばずにすんなり入れたさv
ユウは私服だし髪も結ってなくて女の子みたさ
いや、女の子よりも綺麗さv
それにしてもこの時期だと人がすごいさ・・・
インバザールに入る前にオレはユウに向かって注意した
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♥ユウ
ラビがゲートを抜けたらいきなり腕を掴んできた
面と向かって真剣そうな顔
「ユウ、凄い人だからオレから離れないでね
旅行の時みたいにナンパされたら困るから
今日は飲み物買いに行くときもトイレに行くときも
一緒に行くからねッ!」
は?トイレもかよ?
お前は俺の保護者か?
わ、分かったよ
お前こそ置いてくなよっ/////
それにしてもホントに凄い人だな
ネズミよりも人間の方が多いぞ?
腕をつかんでたアイツの手は
俺の手を握ってきた
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♡ラビたん
インバザールのメインストリートのアーケードには
大きくて高~いクリスマスツリーがあった
もちろん人だかりが多かったけど、オレらも近くに寄って
ツリーを見上げた
「すげぇな」といいながらツリーを見ているユウの
横顔をみてたらいきなり後ろから声をかけられた
「すみません!一緒に写真撮ってくれませんか?」
オレ達は自分に言われてると思ってなくて
振り向きもしなかったんだけど
今度はオレ、肩叩かれたさ
「すみません。お願いしたいんですが」
え?オレ?
ユウもびっくりしてオレと目配せする
「あ、オレ達ですか?」
「ええ。記念に・・・お願いします」
「でも・・・オレ達一般人なんで写真はちょっと・・・」
「え?ココ(ネズミーランド)の方じゃないんですか?
ステージやパレードでの王子様」
と彼女はオレを指さした
「王子・・・?」
オレはユウと顔を見合わせた
「違うよ。ふつうに遊びに来てるだけさ」
「す、すみませんっ!てっきり王子様とお姫様がお忍びで来てたのかと・・・」
「お忍び??」
「いや・・スタッフの方かと・・・あの・・・ま、まちがえました!ごめんなさい!」
・・・・・・
突然声をかけられたと思ったら王子様とお姫様ってどういうことさ?
しばらくユウと顔を見合わせてたけど
この会話を聞いてた回りの人たちの視線が突き刺さってきて
オレはユウの手をさらに握りしめて
足早にその場を去ったさ;;
それにしても
オレ王子様だってっ!王子様にみえるんさ?ほんとさ?
ユウはお姫様??
オレのお姫様だよね!
これって喜んでいいんさね☆
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♥ユウ
お姫様ってなんだよっ!
俺はドレスもスカートもはいてないぜっ
ちゃんとズボンだっ
それにラビが王子ってあの女
絶対眼がおかしい!
ネズミどころかおかしな女に突然声かれられて
やっぱりここは魔法の国なんだな・・・
だってラビが王子だぜ?魔法だよこれ
可笑しくて久々に笑ったぜ
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♡ラビたん
もう、ユウったらそんなに大笑いすることないじゃん
でもこんなユウの笑った顔をみられて
すごく嬉しいさ!
「お前、王子だぜ?ちゃんと俺を護衛しろよ」
笑いながらそんな口たたくユウが可愛くて
この人混みが恨めしかったさ
眼の前にはツンデレラ城
「ユウ・・・」
「ん?」
「好きだよ」
だからオレ、ユウの手ぎゅっとしたんだ
ユウったら「うるせぇよ・・・馬鹿ウサ王子野郎」って
握り返してくれたさ
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♥ユウ
さぁ、どこからいく?ってラビが聞いてきたけど
わかんねぇよ。
マップももらったけどなんだこれ?
ラビに任せる事にしたけど
いきなりジェットコースターでもいい?って・・・・
まぁ任務に出てるときは
いつだっていきなりジェットコースターだけどよ
でもこの時間にしては珍しく1時間待ちで乗れるそうだ
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♡ラビたん
ラッキーだよっ!
この時間で「ビックリーマウンテン」が1時間待ちだよvv
オレね、トゥーランド側から行くか
ベンチャーランド側から行くか
すっごく迷ったんだけど
どっちかっていえば明るいうちに回りたいのはベンチャー側かなって
思ってそっちに行ったら
プラカード下げてるお兄さんが
「今なら1時間まちですよ~」とか言っちゃってるから
なにかと思ったさ・・・
俺達は列に並んで待つ事にしたさv
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♥ユウ
外で並んでたが、列が進むにつれ
このアトラクションの岩山の地下に連れていかれる
冷たい外気がなくなったのはいいが
ほんのりと灯る明りだけで
薄暗くて教団の廊下のようだが
鉱山をイメージしてあるようで良くできている
ジェットコースターが走る音が遠くからゴーッっと聞こえて来て
これからそれに乗るやつらの楽しみを湧き立てるよな
繋いでた手を離したと思ったら
ラビはオレの背後から腕を回してきた
「おいっ!」
「いいじゃん。回りのカップルだってやってるよ」
「だからってな・・・」
「こうしてた方が暖かいしvv」
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♡ラビ
薄暗い雰囲気に呑まれると
ユウをギュってしたくなる
ユウがね
どこかへ行ってしまいそうで怖いんさ
そんな気持ちになる・・・
どうしてかな?
ん~、でも本当はチュ~だってしたいけど
ココは我慢さね(笑)
列はだいぶ進んで真ん中すぎたさvv
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♥ユウ
なんだかな、
この態勢はラビをかついでいるようで
どうも落ち着かん・・・
列が止まった時に俺は振り返り
ラビの腕をはらった
「ユウ?」
「なんか落ちつかねぇンだよ」
「・・・・?」
「お前の顔が見れねぇだろ?」
ラビはじぶんの首に巻いてるいつものボロいマフラーをほどいて
俺の首に巻く「フリ」をして
唇を寄せてきた
マフラーを陰に触れるだけのキスをした
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♡ラビたん
ユウのばかばかばかっ!
そんな事言い出すから
我慢していたのにキスしちゃったじゃんっ!
列は再び動き出して
ユウはオレの手掴んで「ホレ、いくぞ」って。
オレ、ユウの手を握り返して
ユウの手ごとコートのポケットに突っ込んださ
そうこうしてるうちに
あと5番目ってとこに順番が回ってきた
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♥ユウ
あのバカ、不意打ちだぜ・・・
ようやく順番が回ってきた俺達は
トロッコ電車に乗り込む
ガードを付けられ俺達の手は離れた
「おい」
「なに?」
「急降下と加速するところは両手をあげるぜ」
「え?」
「お前もやれよ」
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♡ラビたん
アトラクションを楽しむ時間はあっという間さね
待ってる時間の方が長いんだから・・・
ユウちゃんが両手を上げるとか
言いだすからオレら2人でちゃんとやったさ
ドキドキするけど爽快だねvv
トロッコから降りるとユウは満足気な顔してるさ
「おもしろかった?」ってきいたら
「かなりな・・・」って返事しながら
オレの手を握ってきた
「ユウ?」
「離れないようにするんだろ?」
えへへ////そうさねvv
つぎはジャンクションクルーズに行こう
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♥ユウ
ジャングルの中を舟で抜けて行くような設定だな・・・
いつもはな、舟っていえば任務の行き帰りは
決まってファインダーが船頭で
乗ってるがな・・・
こうして明るい場所で舟に乗るのも悪くない
首狩り族とか・・・
お前ら何者だよ
刻もうか・・・
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♡ラビたん
フラッシュマウンテンのファーストパスを利用しようと
オレ達はクーリーカントリーに向かう
受け取ったファーストパスの時刻は約2時間後さ
その間にとなりのタジーランドの
ドッドマンションに行こうとユウの手を引いた
「おい、ここはなんだ?」
「お化け屋敷だよ」
「お化け・・・??」
ユウったらいちいち「あ"ぁ??」って
幽霊たちに怒るから笑っちゃったさ
六幻もってたら斬りかかってたかも(笑)
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♥ユウ
まったくふざけた野郎が多かったな
人の顔みて薄気味悪く笑いやがって
ムカつく野郎どもだ・・・
なんとかパスの時間までまだ1時間程あるから
カーターパンのなんとかってのに行くみたいだ
よくわかんねぇけど
結構楽しいもんだな
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♡ラビたん
カーターパン空の旅はすごかったさっ!
本当に夜空を飛んでるみたいだった!
ってオレ感激してたら
ユウが「お前だって似たようなもんで飛んでるだろ?」だってっ!
槌は空飛んでるんじゃないもん;;
わかってないさね~ユウは・・・
ユウはさっきのドッドマンションの
幽霊たちがお気に召さなかったみたいで
いつまでもふくれっ面になってるから
そのほっぺにちゅっってしてやったら
今度はぷぅーって紅くなったから
可愛いさvv
あと10分でファーストパスの時間さっ
急がないとっ!!
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ユウ
なんとかパスの時間らしい
ラビは足早に俺の手を引いて
乗り物に向かう
並んでるヤツ沢山いるけど
待たずに乗れるこのパスは便利だな
あっという間に俺達は丸太を割ったボートに乗り込んだ
ジェットコースターじゃなくて
滝つぼをダイブするらしい
これは面白そうだな
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♡ラビたん
なんか途中はかわいらしい動物たちが
迎えてくれたりして
このままくるくるまわって終わりのような錯覚になったけど
ラストはダイビングだったさ
これ、胃袋が口から出そうになるよ
食後は絶対無理だね・・・
出口にはダイビングの時の写真が
展示してあって購入できるみたい
ユウが早速指さして大笑いしてるさ
「お前、コレ最高だな」って・・・
ユウはさっきみたいに両手あげてしっかりした顔してるのに
オレったらかなりヘタレてる
口が波打ってぶるぶるになってるよ
あぁぁ~情けない顔さぁ~~
有無も言わずにユウはもう注文してるさ・・・
「もやしに見せてやろうぜ」って
悪戯っぽく笑いながらユウは楽しそうさ
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♥ユウ
さっきの写真のラビはウケたな
もう笑いが止まらなかったぜ
そろそろ腹がへってきた
俺達はタジーランドってとこの
ハートばっかりのレストランに行く事にした
ラビは蕎麦がないと気遣ってたが
そんなの承知だぜ
だけど何を食っていいのかわからねぇから
アイツにまかせたらハートのハンバーグなんてのを
頼みやがった
この店って野郎2人で入る店じゃねぇよな・・・
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♡ラビたん
ゆっくり食事に時間をかけようと思っていたんだけど
お店の雰囲気がなんか女の子向けだったから
ユウはどうも落ち着かないようだったし
回りの女の子たちの視線が気になってきた
ま、どうせユウ目当ての視線だろうけど
オレ的にもその視線は気に入らないから
食事が終わったら早めに店を出たさ
でもハートのハンバーグは美味しかったよ
ユウったらハートハンバーグみて
「こういうのってジェリーが張り切りそうだな」だって
ホントさ(笑)